2007年10月24日

親と子の関わり−2

問題の半分は自分にも原因があるというところから…

 保護者の側や教師の側が、子どもやその周辺に生じる問題について、自分に原因を見つけることは、抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、これはとても大切なことだと私は思います。子ども達が荒れている原因が、自分にあるとはなかなか思えないものです。
 私たちは、通常、何か問題が起きると人のせいにしがちで、人を責めることで、自分を防御しようとします。しかし、多くの場合、人のせいにして相手を責めても、相手は反発するだけだったという体験はないでしょうか。もちろん、すべてを自分の原因としなくてもかまいませんが、半分は自分にも原因があるというところから考えてみてはいかがでしょうか。自分にも原因があったという気持ちで、子ども達と関わるのと、すべて原因は子どもにあるという気持ちで関わるのとでは、全く違った結果を生むことになると思います。これについては、何度も失敗してきた私の経験から、ぜひおすすめしたいことです。
  


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2007年10月24日

親と子の関わり−1

子どもと深く出会うと、全く違うその子の姿があらわれてくる

 保護者の方から、よく子どもの考えていることがわからない、気持ちが通じ合わないと相談を受けることがあります。中学生にもなると、反抗期もあり、学校での人間関係でかなりのストレスを受けていることも考えられます。
 保護者の方にすれば、お子さんのルーズな面や、勉強をしないこと、成績が上がらないことなど、このままでは大変なことになるとの思いから、ついつい言いたくなってしまう。お子さんにすれば、「親は何もわかってくれない」「ああしろ、こうしろと言ってくる。うざい」という感じでしょうか。
 もちろん、お子さんにも原因はありますが、保護者の方の気持ちを少し転換することで、お子さんとの関わりは変わってくるように思います。実はこれは教師と生徒との関わりと共通するところがあるように思います。ここで私が提案したいのは、子ども達が荒れているとき、自分の側(保護者や教師の側)の思いとどうつながっているかを考えてみてはいかがでしょうか。そして、子ども達を徹底して受けとめること。その子の痛みや荒れている背景(またはやる気が出ない背景)を感じよう、聴こうとすることです。
 私自身は、子ども達と深く出会うこと、その子の人生を丸ごと受けとめようとすることで、全く違うその子の姿があらわれてくる様子を何度も体験してきました。そのように保護者の方にアドバイスして、お子さんとの関わりが転換されたケースを幾度もありました。
 現在の子ども達を取り巻く環境は、あまりにも苛酷です。以前と比べることができないほど、情報は溢れ、人間の心の闇が引き出されやすい状況になっています。人間らしく生き生きと生きることが本当に難しくなっているのではないでしょうか。けれども、どの子も本当に素晴らしい可能性と個性の輝きを持っているのも事実です。その子の可能性や輝きをどれほど信じて、受けとめることができるかだと思います。もちろん、是は是、非は非で、言わなければいけないことはありますが、まずは子ども達の友達関係や学校での出来事、背景などを全身を耳にして聞くこと、痛みを共に感じようとするところから、はじめてみることを提案したいと思います。

  


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2007年05月30日

家族で蛍を見に行きました

家族で蛍を見に行きました。

 毎年、この時期になると、家族で蛍を見に行きます。
 場所は、兵庫県川辺郡の山の中。
 今年は4月に雨が少なかったので、蛍が出るのが遅いそうで、あと1週間か10日ほど先がピークではないかとのことでした。
 時間は夜8時前後。お月様が出ている時は、あまり蛍が上空にあがってこないのだそうです。
 蛍達は月明かりで、用心しているのでしょうか。ベストは、雨が降った後の曇り空の夜。
 そしてあまり寒くない夜がいいようです。

 昨年は、ちょうど、こうした条件がぴったり重なった時に、見にいくことができ、蛍の乱舞が見ることができました。ものすごく幻想的でした。

 今年もどこから聞いたのか、多くの方々も見に来られていました。
 あとから聞いた話では、500メートルから1キロの範囲に2000匹ほどの蛍がいたそうです。
 地元の農家の方もとても親切で、いろいろ説明してくださいます。
 こんな蛍が住める場所がどんどん少なくなってゆくことを思うとき、何としても美しい地球を取り戻したいと願うばかりでした。
 日本全国、さまざまに蛍が見られるスポットがあります。インターネットでも探せますので、ぜひ子ども達を連れて見に行かれてはいかがでしょうか。
  


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2007年05月10日

受けとめに80パーセント

受けとめに80パーセント

 わが子が、学校でいじめにあっている。遊んでばかりで全く勉強しない。進路のことで悩んでいる。反抗ばかりして困る。クラブ、勉強、友達関係に悩んでいる。など、子ども達が何かに行き詰ったとき、どうされるでしょうか。
 とかく私達大人は「ああしなさい、こうしなさい」と指示したり、説得しようとしがちです。
 けれども、それでは、反発を生んだり、子ども達のエネルギーが失われてしまったりするのではないでしょうか。
 私は、ぜひ、周囲の大人たちが子ども達の気持ちを「受けとめる」ことをして頂きたいと思います。
 それも、すぐに言いたくなる気持ちを抑えて、最後まで子どもの気持ちを受けとめるのです。
 どの子も、受けとめてほしいのです。
 そして、自分の気持ちを整理したがっています。
 そして、できれば出てきた気持ちを書いてみましょう。様々な痛みを持っていて、心はずたずたになっているかもしれません。
 そんな子ども達の痛みや苦しみを少しでも感じることができ、子ども達が気持ちを整理することができれば、大きな解決の糸口が生まれてくるに違いありません。
 お子さんが話しているときは、「絶対、口を挟まない。」ことを原則に、お子さんの痛みが何なのか、深く感じながら話を聞かれるのが良いと思います。
 子ども達の悲痛な叫びともいえる言葉を聞けたとき、その奥に、その子の輝く何かを同時に見えるに違いありません。

 「受けとめに80%のエネルギーを使う」……これを目標に、ぜひお子さんのお気持ちを聞いてあげてください。(これは私自身の目標でもあります)

  


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2006年12月19日

ご両親との出会いを通して開いた問題解決への道−2

ご両親との出会い(保護者懇談)を通して開いた問題解決への道−2

それまでの懇談では、点数が悪かったことをただ責めてしまっていたことを話されました。それ以降は、テストに対する取り組み方を振り返り、次回にはどうしてゆけばよいかを、お母さんは本人の意思を聞いて見守るように変わってゆかれました。

もちろん、塾でも、テスト勉強の仕方をさまざまにアドバイスしてゆきました。こうしたアドバイスは常日頃行なっていますが、特に今回は、E子さんも真剣にアドバイスを聞いて実行しようとしてくれたのです。

それからしばらくして、E子さんの姿勢が、全く変わってゆかれました。何よりも精神的に、安定するようになりました。友達と比較して、自分が上か下かで一喜一憂していたのに、そうしたことが気にならなくなってゆかれました。落ち着きが出てきて、「意思を持って」勉強をするようになったのです。

学級委員に選ばれたのも大きな転機となりました。今まで宿題すらできなかったE子さんが、テスト前には、自分で計画を立て、ものすごく勉強をするようになりました。私たちには、「この問題集も終わったし、これも全部覚えたので、応用問題のプリントをもらえませんか」と言うようになりました。もちろん、成績もどんどん上がり、何よりも、一本芯が通ったようなE子さんが現れています。

いつしかE子さんの周りには多くの友達が集まり、あたたかな場が生まれています。

お母さんが子どもさんのテストの良くない点数を見て、責めてしまうご家庭と、子どもさんに対して絶対的な信頼を元に、テスト結果から、次回へつながるような励ましをされるご家庭とでは、結果は全く変わってゆくと思います。
保護者の方が気づいた分だけ、子どもたちも自然と変わってゆかれることを思いました。
同じように、教師が変われば子どもたちが変わることを肝に銘じて、これからも子どもたちの良き縁になってゆきたいと願っています。
<終わり>  


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2006年12月16日

ご両親との出会いを通して開いた問題解決への道-1

ご両親との出会い(保護者懇談)を通して開いた問題解決への道−1

私たちは、ご両親との出会い(保護者懇談)をことのほか大切に思っています。以前、E子さんのお母さんと懇談を行なった時のことです。

E子さんは、中1になる前に入塾されてきたお子さんでしたが、家で、全く勉強をしないお子さんでした。テスト前に、塾でテスト対策授業をするので、中1の前半はかなり高得点を取っていましたが、もともと家で勉強しなかったために、塾だけでの勉強時間となって、点数がどんどん下がっていきました。

お母さんは、とても心配され、懇談ではもっと宿題を出してほしいとか、もっとはっぱをかけてほしいとお願いされていました。

私は、お母さんからE子さんの幼い頃からの生い立ちを聞かせていただくことにしました。すると、E子さんとお父さんとの関わりに、しこりがあることが感じられました。幼い頃、お母さんに受け入れられることは自己信頼につながり、お父さんに受け入れられることは、世界信頼、他者信頼になるといいます。なぜなら、お母さんは、お腹の中にいた時からつながっていますから、自分と同一視することになり、お父さんは、初めて出会う自分以外の「他人」としての象徴として、赤ちゃんは見るそうです。
お父さんに受け入れられないと感じた子は、どうしても他人に対して、世界に対して、不信感をベースに出会ってしまいます。
そうした原初体験は、人生の基盤を吸収していく上での前提となります。
このような話を私の方からさせていただくと、様々なE子さんの幼い頃の出来事やE子さんに取り巻く家庭環境までをお母さんがお話くださいました。
 私の心に、E子さんの痛みが感じられてくるように思いました。話を聞けば聞くほど、このことは、私自身の体験と同じものだったからです。話は私自身の、幼い頃のことまで発展してゆきました。

いつしかお母さんと私は、古くからの友人のように話をしていました。お母さんご自身も、さまざまなお気持ちを語ってくださり、お子さんに対する眼差しが変わっていかれているように思いました。そしてお子さんがどれほど家族にとって大切な存在で、素晴らしい個性を持たれているかを思い出されていかれるようでした。
<つづく>  


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